このページでは2021年1月・2月に開催されたツーソンジェムショーの様子を振り返ってご紹介します。日本人バイヤーの誰も知らない現地の様子をお届けします!
2021年1月・2月のツーソンジェムショーの雰囲気
多くの人が「2021年のツーソンジェムショーは中止」と認識していたと思いますが、実はこじんまりと開催されていました。(ローカルさえ知らなかったくらいだ)
かなり小規模だった
ショーの規模は例年と比較すると10分の1くらいでしたが、どのベンダーも商売っ気がなく、穏やかでアットホームな雰囲気でした。
さすがに日本から来たという人はまったくいませんでしたが、アリゾナ州在住の駐在員ファミリーや、ハワイから買い付けでやってきたという日系の方とお会いしました。
ユタ州やニューヨークのベンダーが買い付けに来ていて、僕を見ては「あ、おまえ」みたいな感じで話かけてきてくれました。今回仕入れた物を4月のショーで売るみたいですよ。
結局、多くのベンダーがツーソンジェムショー内で仕入れをしているんですよね。
コロナ対策はおおらかな感じだった
どのブースも保健所?の指導があって、コロナ対策を徹底していないと営業してはいけないようでした。
入り口にはマスク、ハンドサニタイザー、入場制限のルールなどが貼られていました。室内会場は体温チェックもあった。
一方で、マスクをしない人もいたので、実際のところは「緩い感じ」のルールだったと思います。4月はもっと人が多くなるので厳しくなりそうです。
ツーソンジェムショーは移動が多く、車を乗ったり降りたりするので、ついついマスクを着け忘れてしまうのですが、注意されることはありませんでした。
4月のショーでは、気温30度を超える中での開催になるので熱中症が心配ですね。
出展者はローカル組がほとんど
今回のショーはアメリカを拠点にしているベンダーばかりが出展していました。
もともとツーソンにお店を持っているベンダーや、カリフォルニア州、ミシガン州、ニューメキシコ州など国内移動だけでツーソンにやって来れる人だけが出展していました。公共交通機関を避けて車でやってきた人が多かったみたいです。
バイデン大統領になってマスクが義務化されたので、マスク嫌いの人からすれば公共交通機関の利用は苦痛でしょうね。
ちなみに、ツーソンジェムショーでお馴染みのブラジル、ロシア、マダガスカル、アフリカ勢はまったく来ていませんでした。(アメリカに支店を持っているお店は除く)
売り上げはまずまず
かなり小規模なショーでしたが、どのベンダーも売り上げはまずまずだったようです。
アーカンソー州からやってきたというベンダーは、持ってきた商品すべてが数日で売り切れたので、予定を切り上げてサッサと帰ってしまいました。
銅を売っているお店の前では、ピックアップトラックに商品を満載にして帰っていく人がいました。(相当重たいはず)
なかには「全然売れない」と言うお店もありましたが、4月のショーで売れる予定だそうな。
情報交換に最高だった
平日はお客さんがほとんどこないらしく、暇な店員さんと長らく立ち話が出来たのが良かったです。
例年のツーソンジェムショーなら忙しすぎて(ピリピリで)落ち着いて会話しにくいものですが、今回は余裕たっぷりだったので店員さんとの情報交換もばっちりでした。
朝9時オープンのお店に昼前に行ったら「おまえが今日初の客だ」と言われて、えらく歓迎されました。(ドカンと$800分くらい買ったらさらに喜んでいた)
どんな石があったのか?
個人的には珍しい石があったとは思いません。とくにトレンドを感じることもなかったです。(本番は4月ですから)
大半のベンダーはツーソン市内の倉庫に置いていた在庫品を売っているだけだったようです。
実際に、マダガスカル系のお店は昨年の残り物を売っていたので、あまり良い品質の物はありませんでした。
メキシコ産のフローライト
やたらとメキシコと中国のフローライトが目に付いた気がします。シールには「Made in Mexico」と書いてある。綺麗だと思いました。
自然銅
個人的に自然銅はすごく好き。重たいのが難点ですが、手頃だしなんとなく格好いい。他にもアリゾナ州産の銅もあった。少数ならお土産におすすめ。
パイライト
ペルー産やスペイン産のパイライトをよく見かけた。スペイン産のパイライトは品質が良い物が多かったが、同業者が買い占めているのを見てしまった!
ロジャリー鉱山のフローライト
ツーソンジェムショーではお馴染みのロジャリー鉱山のフローライト。選ぶときりがないので、どうやって諦めるかが難しい。2020年秋に新しいタイプのフローライトが採掘されたそうな。
ベラクルスアメジスト
いつ見ても綺麗なベラクルスアメジストも健在だった。日本人がたくさん買ってくれるらしくウハウハ顔でした。
アーカンソー産の水晶
国内ベンダーがツーソンに来ていました。暇そうにしていたけれど、飛ぶように売れていくそう。
マダガスカル産のラブラドライト
良いものは始めの週末で全部売り切れたそう。タイミング悪く、次のコンテナは2月末到着とのこと。4月のショーでは争奪戦かも。顔パスで値下げしてくれるようになった!
ハイアライト
何度聞いても覚えられない「ハイアライト オパール フロレッセント クリスタル」だそう。ブラックライトを当てると怪しく光るが、普通はブラックライトなんて持っていない。
まとめ
2021年1月・2月のツーソンジェムショーはかなり小規模でしたが、落ち着いて吟味できたので個人的には最高でした。(ツーソンジェムショーの裏側も知れたし)
2021年4月には30近いショーが予定されています。ブラジルやロシア、アフリカからベンダーが来て盛り上がることを期待しましょう。