2021年7月時点、海外から日本へ入国(帰国)した人には「14日間の待機期間」が定められています。
ツーソンミネラルショーに行く人も例外ではなく、帰国後に守らなければいけません。
帰国後の14日間の待機期間はいったいどのようなものなのか?ルールや罰則は?外出できるの?食事はどうするの?といった気になる部分を体験談を交えて紹介します。
14日間の待機期間とは?
14日間の待機期間とは、帰国して14日間は「自宅や宿泊施設(登録待機場所)で待機し、他者と接触しないこと」です。
また、毎日「位置情報」と「健康状態」の報告が義務付けられています。
実質的な強制措置であり、守らない場合には氏名公表や罰金などを受ける可能性があります。
2021年8月2日、厚生労働省は誓約違反の事例として違反者の氏名を公表しました。(リンク切れの可能性あり)
全員が対象
14日間の待機期間は日本に入国(帰国)するすべての人が対象で、ワクチン接種済であろうと、事前検査結果が陰性であろうと関係ありません。
どの国や地域からやってきたのかや、現地滞在期間の長さも関係ないため、短期出張だから大丈夫ということは通じません。
もちろん、ツーソンジェムショーから帰国する人も該当します。
「ツーソンジェムショーには3日間しかいなかったから」という理由も通用しないので注意しましょう。
アメリカから日本へ帰国する際の様子は【アメリカ→日本】帰国時の流れや自主隔離、コロナの影響は?を参考にしてください。
隔離期間の基準
隔離期間の基準は「検体採取日(入国日)の次の日から起算して14日間」となるため、帰国当日は含みません。
例えば、1月1日に日本へ到着した場合、1月2日から起算して14日間ですので、1月16日いっぱいまでが対象になります。
誓約書を提出させられる
14日間の待機期間を遵守することを誓約する誓約書を提出しなければ日本に入国できません。
つまり、日本へ入国(帰国)するということは、14日間の待機期間を守ることを文書上で誓約したということになります。
14日間の待機期間は実質的な強制措置であり、あなたが日本に入国するにあたり避けられないことを意味しています。
誓約書と同じくらい大切なのが検査証明書です。検査証明書については日本へ帰国時に絶対必要な「検査証明書」とは?で確認してください。
強制力と罰則
日本政府は14日間の待機期間について、法的な強制力はなくあくまでも「要請」としています。
しかし、検疫法12条に基づいて罰則の対象になるともしているため、取り締まる側および取り締まられる側がいかようにでも解釈できる「あやふや」な規則です。
取り締まる側は、検疫法12条で定められた質問に対して、虚偽の言動を取ったとみなすことで罰則の対象にする仕組みです。
罰則の内容は「氏名の公表」「6か月以下の懲役」「50万円以下の罰金」などが該当します。
外国籍の場合だと「在留資格取り消し」「退去強制手続き」など、厳しいものも含まれます。
フォローアップ
14日間の待機期間中は、委託先企業である日本エマージェンシーアシスタンス株式会社によるフォローアップと称した「監視状態」が続きます。
監視は入国時に強制的にインストールさせられるアプリ(アプリをインストールしないと入国できない)や、提出した個人情報を通じて行われます。
監視の主な内容は以下の通りです。
- 1日複数回現在位置情報を送信
- 毎日健康状態の報告
- ビデオ電話への応対
- 委託企業からの電話
- 待機先への訪問
この監視の結果、非協力的であったり、ルールを守っていないと判断された人は罰則を受ける可能性があります。
外出できるの?
14日間の待機期間中は原則として外出できません。
しかし、スーパーやコンビニへ食料品の調達、健康維持のための散歩、病院へ行くことなどは容認されています。
外出する際には「マスク着用」「手指の消毒」「3密回避」といった感染拡大防止に努める必要があります。
「ちょっと仕事でオフィスへ」や「打合せのためにカフェへ」などは違反行為です。
14日間の待機期間中はアプリをインストールしたスマートフォンの位置情報によって監視されていることを忘れないようにしましょう。
国内線の乗り継ぎがある人は影響大
14日間の待機期間は国内線の乗り継ぎがある人ほど影響が大きいでしょう。
なぜなら、羽田や成田空港などの国際線到着空港から国内線の乗り継ぎが禁止されており、なおかつ公共交通機関を使って国内を移動することも出来ないためです。(ハイヤー、レンタカー、家族や知人の送迎があればOK)
例えば、あなたの最終目的地が新千歳空港や那覇空港だとした場合、成田や羽田、関空周辺で14日間の待機期間を過ごしてから、国内線を利用して帰宅することになります。
14日間の待機期間にかかるコストは自己負担です。
以下のような自主隔離期間をお得に過ごせるプランもありますので、参考にしてみてください。
企業名 | サービス名 | 料金 |
---|---|---|
MetroResidences | ウィークリーマンション滞在+空港送迎プラン | 105,733円から |
株式会社アムネット | お迎え送迎付き14日間待機プラン | 131,000円から(目安) |
サクラホテル | サクラホテル・サクラハウスの14日間自主待機宿泊プラン | 90,000円から |
帰国時の到着空港での流れは【2021年7月の実体験】コロナ帰国の空港での流れやヒントで詳しく紹介しています。
14日間の待機期間の具体的な内容
14日間の待機期間中にあなたがしなければいけないことは以下の通りです。
外出を控えて他者と接触しない
最も基本的な対応です。
外出を最小限に控えて、他者と接触しないように努めましょう。
スーパーやコンビニへの食料品買い出しや運動はOK。
健康状態確認のメールへ対応
14日間の待機期間は毎日午前11時に厚生労働省からメールが届きます。
このメールに記載されているURLにアクセスし、以下2つの問いに対して午後2時までに回答しなければいけません。
- ご本人さま、または、同居されているご家族の方で、現在、37.5℃(99.5℉)以上の発熱がある方はいらっしゃいますか?(はい・いいえ・計測できない)
- 現在、ご本人さま、または同居されている家族の方に、以下の症状がありますか?(はい・いいえ)
・せき
・のどの痛み
・鼻水
・鼻づまり
・強いだるさ
・息苦しさ
・その他の風邪症状
午後2時までに回答しなければ、同日午後6時に「Reminder」が届き、回答を求められます。(対応内容は同じ)
現在位置情報の報告
入国時にインストールさせられるアプリ「OEL」で、要求に応じて現在位置情報の報告をしなければいけません。
はじめに、あなたの滞在先となる場所に到着した時点で、アプリ上で「チェックイン」をし、あなたが14日間の待機期間を過ごす拠点となる場所情報を登録(提出)します。
その後、毎日複数回(最低2回)ほど、無作為な時間に位置情報の報告を促すメッセージが届きます。
メッセージを確認した後、あなたはアプリ上に表示される「I’m here.」ボタンを押して現在の位置情報を送信します。
誓約書に記載した住所と異なる場合や、チェックインした場所から頻繁に動いている場合は追及されるはずです。
ビデオ電話や電話応対
入国時にインストールさせられるアプリ「My SOS」で、ビデオ電話や電話に応対する必要があります。
ビデオ電話では、通話を開始したら30秒間「あなたの顔とあなたがいる場所の背景」を録画される。(人と会話する訳ではない)
電話では、委託先企業の担当者と会話し、諸注意事項や健康状態を確認される。
もし、あなたがルールを守っていなかったり、非協力的だった場合は、その都度電話で根掘り葉掘り聞かれるはずです。
実際に体験してみて分かったこと
14日間の待機期間を体験してみて分かったことを紹介します。
常に監視されていることを実感する
スマホの位置情報を通じて監視されていることを実感します。
筆者は入国後すぐに3日間の強制隔離措置があったため、この滞在先から自主隔離の場所まで移動する必要がありました。
わずか数時間の移動中に位置情報を送信するようメッセージが届いたり、大幅な移動があったことを感知したと警告が届きました。
誰かが常に監視していることが分かり、恐ろしいと思いました。
3日間の強制隔離については変異株の水際対策強化で3日間強制隔離された時の様子で紹介しています。
14日間は長い
14日間も監視されるのは気分がいいものではありません。
毎日メールが届き、居場所の報告を促すメッセージも届き、しまいには録画されるビデオ電話もかかってきます。
これが14日間も続く訳ですからストレスです。
ストレスと恐怖を抱えながら過ごす14日間は長く感じました。
プライバシーはない
フォローアップとは聞こえは良いものの、実際には「監視」です。
誓約書では氏名や住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、近親者の連絡先などの個人情報を提出し、スマホのアプリを通して絶えず位置情報を提供しています。
また、ビデオ電話ではその都度あなたの顔と部屋を録画されます。
これらの個人情報は誰が何の目的で使うのか、考えるほど恐ろしいと思いました。
「んな、あほな」とか「考えすぎ」と思える人は良いでしょう。
14日間の待機期間を通じて、あなたの顔写真や部屋の様子も含む個人情報を誰かが収集・蓄積していることを忘れてはいけません。
とくに女性は気をつけてください。
やってはいけないこと
14日間の待機期間に対して以下のようなことはやってはいけません。
予備のスマホを使う
入国時、検疫官の前で指定のアプリが実装され、動作するか確認されます。
この際に、あなたのメインのスマホではなく、予備のスマホを使ってはいけません。
例えば、SIMカードを実装した予備のスマホを使うことで、現在位置情報の報告を家族に任せたり、位置情報のごまかしが可能です。(あなたは外出していても位置情報は家にある状況を作れる)
使っていない古いスマホや会社用のスマホなどを用いてこういうことをするのはやめましょう。
ビデオ通話で偽装工作
ビデオ通話の際にあたかも自分の部屋にいることを装うことはやめましょう。
無作為にかかってくるビデオ通話は、30秒間の自動録画(対面通話ではない)のため、あなたの顔と背景が映っていればOKです。
この際に、友人の家やオフィスにいるのに自分の部屋にいるように装ってはいけません。
例えば、オフィスの給湯室を自宅のキッチンにみせかけたり、オフィスのカーテンやソファ、テレビなどを背景に入れて自宅風にすることはダメです。
夜と朝は大丈夫と考える
位置情報の報告やビデオ電話は夜から朝にかけてはありません。
筆者の経験では、午後8時以降に連絡がきたことはありませんでした。
また、朝はどんなに早くても10時以降でした。
午後8時頃から午前10時頃までは連絡がこないと考えてはいけません。
4,000人/日が違反しているから自分も大丈夫と考える
1日4,000人が違反しているから自分も大丈夫と考えてはいけません。
厚生労働省は位置情報の報告を怠る人が1日に4,000人ほどいるとし、4日以上連絡が取れない人が30-40人いるとしています。
つまり、誓約違反が常態化している訳です。
このような状況を受けて「多少のミスはOK」や「時々対応すればOK」と考えるのはやめておきましょう。
まとめ
2021年7月時点、14日間の待機期間は日本へ入国(帰国)するすべての人が対象で、しっかり監視されます。
2022年以降のツーソンジェムショーに行くことを計画している人は、このような措置を避けて通れないことを覚悟のうえで決めましょう。
アメリカに渡航するのは比較的容易ですが、日本に帰国することが大変ということを忘れないでください。
日本からアメリカへの渡航は【日本→アメリカ】準備すべきものや注意点は?現地でやるべきことを参考にしてください。