【日本経済新聞より引用】入国後14日隔離、接種で短縮「前例なし」 厚労省が慎重

2021年8月6日付けの日本経済新聞電子版において「ワクチン接種済みでも帰国後の自主隔離期間は短縮されない」という記事が掲載されました。

同紙は、ワクチン接種済みの人であっても「前例がない」ことを理由に、14日間の期間は短縮されないことを紹介しています。

ぜひ参考にしてください。

以下、記事は日本経済新聞より引用しています。

入国後14日隔離、接種で短縮「前例なし」 厚労省が慎重

2021年8月5日 22:30 (2021年8月6日 5:15更新)

新型コロナウイルスの水際対策を巡る日本と米欧の対応の違いが鮮明になってきた。米国は入国制限の対象国かどうかにかかわらずワクチンを接種済みなら入国を認める検討を始めた。日本は接種済みの入国者にも隔離を求める措置を続ける構えで、世界的な往来再開の動きに距離を置く。

日本の水際対策は世界でも厳しい部類に入る。政府は世界保健機関(WHO)が示したウイルスの潜伏期間をもとに、全入国者に入国から14日間は自宅などで待機するよう求める。主要国で日本より厳しいのは14日間の隔離が義務のオーストラリアなどに限られる。

水際対策は3省庁が横断で取り組む。検疫法を所管し入国後の隔離などを担う厚生労働省、外国人の出入国を管理する出入国在留管理庁、査証(ビザ)を発行する外務省だ。

壁となるのが厚労省の消極的な姿勢だ。同省の検疫所業務管理室によると、14日間の隔離は国内で感染が広がってきた当初の2020年3月に中国や韓国を対象に始めた。現在はワクチン開発で一定の感染予防効果が示されているが、要件緩和の検討はしていない。

ワクチン接種の有無を検疫の待機期間を短くする条件にした「前例がない」(同室)。接種後でも感染が確認される例もあり、接種したかどうかを理由に制限を緩和するのに慎重な立場をとる。ワクチンが効きにくい変異ウイルスが新たに出現するリスクもある。

外務省の吉田朋之外務報道官は4日の記者会見で、7月26日に申請受け付けが始まった海外出国者向けの接種証明書に言及した。「国際的な人の移動の再開につながる重要な手段になり得る。国内外の議論の動向を見ながら政府内で検討していくべきだ」と語った。

現状ではワクチン証明書を所持していても日本に入国する際は自主隔離が必要になる。

与野党にも水際対策の緩和に慎重論が根強くある。自民党の佐藤正久外交部会長は7月上旬の会議で「政府の水際対策で自民党に逆風が吹いている」と述べた。10月までにある衆院選を控え、新規感染者の急増は与党批判につながりかねない。

立憲民主党は「ゼロコロナ戦略」を掲げ、水際対策の徹底などで感染をゼロにするよう唱える。

バイデン米政権は将来的に入国制限を緩和する場合の計画づくりを進めており、制限の対象国かどうかにかかわらず、米国を訪れる外国人を対象にワクチン接種を義務付ける案を検討中だ。

ホワイトハウス当局者は「国際的な往来は重要だ。安全で持続可能な方法で往来を再開したい」と述べた。

欧州連合(EU)や英国は特定の国からの入国者を対象にワクチンを接種済みであれば隔離を免除する政策をすでに始めている。

EUは7月から「デジタルCOVID証明書」の本格運用に着手した。EU域内などでは国境を越えてもQRコードを示すだけで自主隔離や検査を免除される。

米国が新制度を導入すれば、日本をはじめ現時点で入国制限を課されていない国から米国を訪れる外国人にとっては、新たに入国要件が課されることになる。

日本の大手商社からは「接種はあくまで個人の自由。接種したから出張要員に選ばれる、といった選別をすることになってしまう」など困惑する声が相次ぐ。

ワクチンの接種完了まで時間がかかり機動的な出張が難しくなるほか、米国が認めない種類のワクチンを接種した人が渡米できなくなるといった事態が生じかねないと危惧する。

要約

この記事を要約すると以下のようになります。

  • ワクチン接種済みでも日本に帰国して14日間は自主隔離
  • 理由は「前例がないから」
  • これは厚生労働省が主張している
  • 厚生労働省と外務省の連携が悪い
  • 日本の水際対策は厳しい
  • 水際対策の緩和に対する慎重派がいる
  • アメリカが入国者に対してワクチン接種義務化を検討中

まとめ

「前例がない」ことを理由に、ワクチン接種済みの人も帰国後の14日間自主隔離は続く様相です。

つまり、あなたがワクチンを接種していても、海外往来時に日本国内では恩恵がないと言えます。

「前例」が出来るまではルールは変わらないでしょう。

帰国後14日間の自主隔離期間については【実体験】14日間の待機期間とは?罰則は?やってはいけないことにまとめています。

【実体験】14日間の待機期間とは?罰則は?やってはいけないこと
海外から日本へ入国(帰国)した際の「14日間の待機期間」についてまとめています。罰則、ルール、やってはいけないこと、体験談などがあります。