2020年のツーソンジェムショー/ツーソンミネラルショーは新型インフルエンザや中東情勢など様々な懸念がありましたが、無事に終了しました。
Tucson市政府の公式発表では期間中におおよそ15万人がTucsonを訪れたとのことです。日本からいらした人たちも楽しめたようで良かったです、お疲れ様でした!
このブログ記事では2020年のツーソンジェムショーを様々な視点で振り返ります。
天然石はツーソンよりも日本の方が安い?
2020年のツーソンジェムショーで頻繁に聞かれた言葉が「日本の方が安いかも」というものでした。もちろん、人それぞれだし、購入する石によっても変わるので絶対的なことは言えませんが、物によっては日本の方が安いというものもあったようです。
これまでツーソンジェムショーでは世界中の石が安く買えることが魅力でしたが、社会情勢や最低賃金の値上げによる連鎖的な値上がり(ブース代、輸送費、ガソリン代、人件費など)が石の価格に反映されているようです。事実、3年前と比較してガソリン代は$0,50-以上、人件費は$2/h以上値上がりしており、Tucsonの物価は上がり続けています。
業者さんは「まとめ買い」が出来るので価格交渉しやすいですが、個人のデザイナーさんや天然石収集が趣味という人にとってはツーソンジェムショーのお得度が低くなりつつあるようです。
実際に、ブラジル産水晶のクラスターは毎年のように高くなっていて、お店によっては高過ぎて売れ残るという変な現象が起きていました。みなさんは安く買えましたか?
掘り出し物はメイン会場以外が穴場
これは個人的な意見ですが、日本人が多く訪れるような会場(22nd Street Show、Pueblo、Hotel Tucson、Kinoなど)は定番の天然石が多く、価格はちょっと割高な印象でした。
人が集まる会場は値段も強気で、珍しいものはなかなか見つからない感じでした。対照的に、あまり人気がなさそうな会場ではレッドアメジストや激安の水晶、アメシスト、珍しい原石などをよく見かけました。
珍しい天然石を探している人は人気の会場よりも、ちょっと寂れた感じの会場を見て回るのがいいかもしれませんね。(レンタカーがないと辛いかも)
マダガスカルの天然石が人気
2020年のツーソンジェムショーでもマダガスカルの業者さんが人気でした。ローズクォーツ、セレスタイト、水晶、アパタイト、ラブラドライトなどの原石から加工品までとにかく種類が多くて、他よりも安いです。
5年くらい前までは全体的にマダガスカルの業者並にお手頃なお店が多かったのですが、ブラジル、中国、ロシアなどの業者さんが値上がりしたので、マダガスカルだけはいまでも異様に安く感じました。
とくにツーソンジェムショー最終日に近づくと「叩き売り」が始まるので価格がさらに下がっていました。通常$15程度のものが$8-10になっていたので驚きました。もちろん、品質が良いものから売れるのでジェムショー後半は高品質の石は少ないですけどね。
お店ごとの価格差が大きい
2020年のツーソンジェムショーで驚いたことは「同じ天然石でもお店による価格差が大きい」ということでした。たまたまだったかもしれませんが、倍も違うケースがありました。
とくに凄かったのは「南アフリカ産のロードクロサイト」で、形状や色味がそっくりなのに$60,000-と$22,000-という差がありました。素人目には決定的な違いがあるとは思えなかったのでちょっとビックリしました。
その他にもアクアマリンやクンツァイトの原石でも倍近い差がありました。価格差が大きい石を買う時はちょっと慎重になった方がいいかもしれませんね。
客を見て値段を決めるお店がある
よく利用させてもらっているお店の大将が、ある天然石を$40でどうかと言ってきました。「ちょっと高いわー」と言うと「別の人には倍の$80で売ったから十分に安いんだぞ」と言われました。(わざわざレシートも見せてくれた)
こういうことはツーソンジェムショーではごく当たり前のようにあるので驚きませんでしたが、ちょっと闇を見たようで怖かったです汗
「値札を付けていないお店」では、このような客を見て値段を決めることが起こるので参考にして下さい。
2020年ツーソンジェムショーの感想まとめ
2020年のツーソンジェムショーは全体的に高い印象が拭えませんでしたが、時間をかけて色んな会場に足を運ぶことで「とっておきのお店」に出会う可能性はまだまだあると実感しました。
今後、天然石市場の価格が下がるということは恐らくないと思うので、まとめ買いが出来る業者さん以外は価格での勝負は厳しくなるかもしれません。恐らく連鎖的に日本の天然石市場の相場も上がると思います。(どの業者さんも涙ぐましい努力をしていらっしゃいます汗)
個人的には「もうちょっと手頃に楽しめるツーソンジェムショーであってほしい」と思いました。